タイトル
「アンナ・カレーニア」
プロローグ
19世紀末のロシア。
政府高官カレーニンの妻にして、満ちあふれる美貌を持ち
社交界の花として人々から注目されるアンナ・カレーニナ。
しかし彼女は華やかな生活の裏で、
夫との愛なき結婚に空虚なものを抱いていました。
そんな中、アンナは兄、オブロンスキーの浮気が原因で
離婚の危機に陥った、兄夫婦の関係を修復させようと
彼らのいるモスクワへと向かいます。
駅に降り立ったアンナは
そこで青年将校ヴロンスキーと出会います。
彼は、アンナの輝く瞳と優美な微笑みに一目で引き込まれ
アンナも、彼の眼差しに心が踊るのを感じるのでした。
兄の妻、ドリーの説得に成功したアンナは
ドリーの妹、キティに頼まれ舞踏会に出席することに。
かねてからヴロンスキーに想いを寄せるキティは
そこで彼から、プロポーズされると信じており
そのために友人からの求婚も断っていました。
しかし、ヴロンスキーは
もはやアンナしか目に入らないのでした。
お互い、自制心を働かせようとするも、
燃えさかる情熱を止めることができなくなっていました。
アンナは、社交界も夫も捨て
ヴロンスキーとの愛に身を投じるのですが
それは同時に、破滅へと向かうことになっていくのです……。