タイトル
「家路」
プロローグ
震災後の福島。
次郎は、立ち入り禁止区域となった故郷に戻りました。
父と母、また腹違いの兄、という家族の中で
複雑な少年時代を過ごした次郎は
20年前、ある“事件”の罪をかぶったまま
故郷を後にしたのです。
もう、二度と帰らないことを決意していたのですが
そこが無人になった今だからこそ、戻る決意をしたのでした。
一方、震災の影響によって
先祖代々受け継いだ土地から、離れることを余儀なくされた
次郎の母・登美子と、前妻の子である兄・総一、その妻は
狭い仮設住宅で、一緒に暮らしていました。
生活の全てを注いできた場所を失うという
不条理な現実に疲れ果て
心身共に、限界を迎えつつありました。
やがて、再会を果たした家族は
過去の葛藤と震災による苦しみを乗り越え
前向きに生きはじめようとするのです・・・。