タイトル
「春を背負って」
プロローグ
立山連峰で、山小屋“菫小屋(すみれごや)”を営む
厳格な父に育てられた亨(とおる)。
彼は、そんな父から遠ざかるように東京に出て
金融の世界で、会社の歯車として働いていました。
そんなある日、突然、父の訃報が届きます。
亨の携帯電話には、死の少し前に息子の体を気遣う
父からのメッセージが遺されていました。
電話に出られなかった事を、悔む亨ですが
複雑な想いで通夜に向かいます。
そんな彼を、気丈に振る舞う母・菫や
父と菫小屋で働いていた、愛が出迎えました。
葬儀を終え、亨と母・菫は
愛も連れて、菫小屋を訪れます。
改めて、父の山小屋への想いに触れ
都会での仕事に、虚しさを感じていた亨は
小屋を継ぐ決意をするのです。
慣れない仕事に、愛と共に悪戦苦闘する毎日。
そんな時、父の友人で“ゴロさん”と名乗る男が現れ
愛と三人での、山小屋生活が始まります。
亨は、世界を放浪してきたゴロさんの
不思議な魅力にだんだん惹かれ
また、菫小屋を訪れる様々な人に出会い
成長していくのです・・・。