タイトル
「円卓」
プロローグ
小学3年生のこっこは、大阪の狭い団地で
8人の大家族で暮らしています。
お父さんとお母さん、おじいちゃんとおばあちゃん
また三つ子の姉たち・・・。
こっこは、家族にも愛され大切に育てられていました。
しかし本人は、そんな絵に描いたような幸せな生活が
疎ましくて仕方がないのです。
“孤独”に憧れるこっこにとっては
人と違うことが、一番「かっこええ」ことなのです。
学校での、その憧れの眼差しは
ある日突然、眼帯をしてきたクラスメイトや
突然の不整脈で倒れた、朴(ぱく)くんに向けられます。
そんなこっこの夏休み。
日常と非日常の間で、大冒険が始まります。
祖父が教えてくれた“イマジン”想像すること
という言葉を胸に、こっこは少しずつ
大人になっていくのです・・・。