タイトル
「さいはてにて」
プロローグ
東京で、焙煎珈琲店「ヨダカ珈琲」を営む、吉田 岬(みさき)。
彼女には、30年前に生き別れた父がおり
その父は、生死もわからぬまま行方不明になっていました。
「ひょっとしたら、まだどこかで、父は生きているのでは…」
そんな希望を胸に、彼女は故郷の奥能登で
「ヨダカ珈琲」の営業を初めます。
その向かい側に住むのは、
シングルマザーの絵里子と、二人の子どもたち。
絵里子は、生活のため家を空けることが多く
幼い子供たちは、さびしく暮らしていました。
そんな姉弟は、近くにオープンした珈琲店に興味を持ち
次第に岬との距離を縮めていきます。
一方、母親の絵里子は
生き方も価値観も違う岬に、嫌悪感を抱いていました。
しかし、ある事をきっかけに
二人の間に友情が芽生えていくのです。
やがて「ヨダカ珈琲」は地元の人にも馴染み
岬にとっても、絵里子たち家族にとっても
”かけがえのない場所”となっていくのでした。
そんな中、絵里子は岬がこの地にやってきた本当の理由を知り
また父について、衝撃の事実が岬にもたらされるのです…。