タイトル
「サヨナラの代わりに」
プロローグ
弁護士の夫・エヴァンや友人たちに囲まれながら
充実した日々を過ごしていたケイトは
35歳の誕生日パーティーでピアノを弾いた時
初めて身体に異変を感じます。
やがて難病ALS・
筋委縮側索硬化症(きんいしゅくせいそくさくこうかしょう)と
診断され、車椅子生活となり、彼女は人生のすべてが
変わってしまいます。
友人たちの前で明るく振舞うことに疲れ
心の中で「こんな筈ではなかった…」と嘆くケイトは
エヴァンの反対を押し切り、
患者ではなく友人として話を聞いてくれそうな大学生
ベックを介助人として雇います。
ミュージシャンになる夢に挫折し、言葉遣いも荒く
料理もまともに出来ないベックでしたが
夫の浮気を知ったケイトの“家出”を
ベックが手伝ったことから、
二人の関係は本音で語り合える友情に変わります。
自由奔放なベックに、次第に心が解放されていくケイト。
一方、ベックも生まれて初めて自分を頼ってくれたケイトに
影響され、自身の生き方を見つめ直すようになります。
しかしそんな二人に残された時間は、
あとわずかだったのです……。